「もっと自分から練習してくれたらいいのに」
「家でも少しでいいからバットを振ってほしい」
「キャッチボールしようって、自分から言ってくれないかな」
「他の子は毎日練習しているのに、うちは大丈夫かな」
親として、そんなふうに思ったことはありませんか?
私自身も、息子と少年野球に関わる中で、同じように感じることがあります。
InstagramやSNSを見ていると、毎日のように練習している子、低学年とは思えないくらい上手な子、親子で本気で取り組んでいる家庭の投稿がたくさん流れてきます。
そういう投稿を見ると刺激になる一方で、「うちももっとやった方がいいのかな」「このままで成長できるのかな」「本人にもっとやる気を出してほしいな」と、少し焦ってしまうこともあります。
でも、息子と親子練習を続けてきて感じるのは、低学年の子どもにとって「自主練」は、大人が思っているほど簡単なものではないということです。
今回は、少年野球で子どもがなかなか自主練しないと感じた時に、親としてどう向き合うか。我が家で意識していることを、実体験をもとにまとめてみます。
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低学年にとって「自主練」は意外と難しい
親からすると、自主練という言葉はとても自然に聞こえます。
家で少し素振りをする。
キャッチボールをする。
ボールを捕る練習をする。
ランニングをする。
どれも、やろうと思えばできそうに感じます。
でも、低学年の子どもにとっては、「自分の課題を考えて、自分で練習メニューを決めて、自分から取り組む」ということ自体が、まだ難しいのかなと思います。
大人は、練習した先にある成長を想像できます。
今これをやれば、試合で活きる。
毎日少しずつ続ければ、数か月後に変わる。
苦手なことを繰り返せば、いつかできるようになる。
そういう考え方ができます。
でも、低学年の子どもは、まだそこまで先を見て動けるわけではありません。
「数か月後に上手くなるか」よりも、今それが楽しいか、できそうか、褒めてもらえるか、失敗して嫌な気持ちにならないか。そういう目の前の感情の方が、ずっと大きいのだと思います。
だから、「野球が好きなら自主練するはず」と決めつけすぎると、親も子どもも苦しくなってしまう気がしています。
もちろん、自分からどんどん練習する子もいます。
でも、そうじゃないからといって、野球が好きではないとは限りません。
まだ自分から練習に向かうためのきっかけや、環境や、成功体験が足りないだけかもしれません。
「練習しなさい」と言うほど、練習が遠ざかることもある
親として一番難しいのがここです。
子どもに上手くなってほしい。
試合で活躍してほしい。
せっかく野球をやっているなら、成長してほしい。
そう思うからこそ、つい言いたくなります。
「少し素振りしたら?」
「キャッチボールやろうよ」
「昨日もやってないよ」
「上手くなりたいなら練習しないと」
でも、これを言いすぎると、子どもにとって練習が「やりたいもの」ではなく、「やらされるもの」になってしまうことがあります。
私自身も、つい言いたくなることがあります。
でも最近は、やらせることよりも、子どもが「やってみようかな」と思える空気を作ることの方が大切なのかなと感じています。
「練習しなさい」と言ってやらせる練習は、もう自主練ではないのかもしれません。
親が本当にできることは、無理やりやる気を出させることではなく、子どもが自然と野球に向かいたくなるきっかけを作ることなのだと思います。
上手い人ほど「練習していた感覚」が薄いのかもしれない
これまで、元プロ野球選手や、社会人野球で活躍していた方とお話しする機会がありました。
その中で、何人かが共通して話していたことがあります。
それは、自主練を練習だと思っていなかったということです。
もちろん、結果的にはものすごい量の練習をしていたのだと思います。
でも本人たちの感覚としては、「練習しなきゃ」「努力しなきゃ」というよりも、ゲームで遊んだり、友達と外で遊んだりするのと同じように、野球で遊んでいた感覚に近かったのだと思います。
壁当てをしたり、バットを振ったり、ボールを投げたり、友達と勝負したりする。
大人から見れば立派な自主練でも、子ども本人にとっては「練習」ではなく、ただ夢中になって遊んでいる感覚だったのかもしれません。
この話を聞いた時、すごく腑に落ちました。
子どもにとって一番強いのは、「やらなきゃ」ではなく「やりたい」なのだと思います。
好きだから触る。
楽しいから続ける。
できたら嬉しいから、もう一回やる。
勝負したいから、工夫する。
その積み重ねが、結果的に自主練になっていく。
そう考えると、低学年のうちに大切なのは、練習量を無理に増やすことよりも、野球が「遊びの延長」にある状態を作ることなのかもしれません。

自主練の入口は「好き」という気持ち
自主練を考えるうえで、やっぱり大事なのは「好き」という気持ちだと思います。
野球が楽しい。
またやりたい。
できるようになると嬉しい。
もっと打ちたい。
もっと捕りたい。
そう感じている子は、自然と野球に向かいやすくなると思います。
逆に言えば、「好き」という気持ちを守ることが、自主練への一番の近道なのかもしれません。
特に低学年のうちは、技術よりも「野球って楽しい」という感覚を積み上げる時期。
親が熱くなりすぎて、子どもが野球から離れてしまったら本末転倒です。
もちろん、上手くなってほしい気持ちはあります。
試合で活躍してくれたら嬉しいです。
できなかったことができるようになる姿を見るのは、本当に楽しいです。
でも、その前にまず、野球を好きでいてほしい。
我が家では、そこを一番忘れないようにしたいと思っています。
我が家で意識している4つのこと
我が家でも、毎回うまくいっているわけではありません。
声をかけても乗ってこない日もあります。
すぐ飽きる日もあります。
親の方が熱くなりすぎて、あとから反省することもあります。
それでも、親子練習を続ける中で、少しずつ意識するようになったことがあります。
1まずは短く終わる
低学年の子どもにとって、長時間の練習は集中力が続かないことも多いです。
最初から30分、1時間やろうとすると、途中で飽きたり、疲れたり、雑になったりします。
だから我が家では、「少しだけやる」という感覚を大切にしています。
5分だけキャッチボールをしたり、10球だけ捕球練習をしたり、数分だけ素振りをしたり。少しだけバッティングケージで打つ日もあります。
短い時間でも、子どもが前向きに取り組めたなら、それで十分だと思っています。
「もう少しやりたい」と思えるくらいで終わる日があってもいい。
練習を詰め込みすぎて嫌になるより、短くても「またやりたい」で終わる方が、低学年には合っているのかなと感じています。
2成功で終わる
練習中にできないことが続くと、子どもはだんだん嫌になってきます。
特に捕球練習やフライ練習は、失敗が続くと怖さや苦手意識につながることもあります。
だから、最後はなるべく成功で終われるように意識しています。
難しいボールで終わるのではなく、少し簡単なボールにする。距離を近くする。スピードを落とす。成功しやすい形に戻す。
最後に「捕れた」「いいスイングができた」「いい送球ができた」と思えるだけで、子どもの表情は変わります。
「できた」で終われると、次の練習にもつながりやすい。これは我が家でかなり意識していることです。
3親も一緒に楽しむ
子どもに練習してほしいと思う時、親が真剣になりすぎることがあります。
もちろん、真剣に向き合うことは大切です。
でも、親の表情がずっと厳しかったり、注意ばかりになったりすると、子どもにとって練習は楽しい時間ではなくなってしまいます。
我が家では、親子練習を「教える時間」だけにしないようにしたいと思っています。
一緒に笑う。できたら一緒に喜ぶ。失敗しても「今の惜しい!」と声をかける。時には遊びのようにやる。
親が楽しそうにしていると、子どもも入りやすくなる気がします。
親子練習は、上達のためだけの時間ではありません。親子で同じことに向き合う時間でもあります。その時間を大切にしたいと思っています。
4練習しやすい環境を作る
我が家では、自宅の庭にバッティングケージをDIYしました。
これは、息子にもっと練習してほしいという気持ちも当然ありましたが、それ以上に「練習するまでのハードルを下げたい」という思いがありました。
グラウンドに行かなくても、少しだけ打てる。準備に時間をかけなくても、すぐ練習できる。親子で空いた時間に少しだけ野球ができる。
この環境があることで、練習への入り口はかなり低くなったと感じています。
もちろん、庭にケージを作るのは誰でもできることではありません。場所も必要ですし、費用もかかります。安全面にも気をつけなければいけません。
でも、大切なのは「大きな設備を作ること」ではなく、子どもが練習に入りやすい環境を作ることだと思います。
玄関にグローブを置いておいたり、柔らかいボールをすぐ使える場所に置いたり、バットを振れるスペースを決めておいたり。そういう小さなことでも、練習のハードルは下がります。
「練習しなさい」と言うよりも、練習しやすい環境を作る。その方が、子どもが自然に動きやすくなるのかなと感じています。

自主練は「量」より「またやりたい」が大事
少年野球をしていると、練習量が気になることがあります。
毎日素振りしている子。朝練している子。夜も自主練している子。
そういう姿を見ると、すごいなと思います。
でも、低学年のうちは、量だけを追いすぎなくてもいいのかなと思っています。
もちろん、たくさん練習すれば上手くなる可能性は高くなります。
でも、嫌々やる練習が積み重なると、野球そのものが嫌になることもあります。
それよりも、まずは「野球って楽しい」「できるようになると嬉しい」「またやってみたい」と感じること。
その気持ちが育ってくれば、少しずつ自分から練習に向かう場面も増えてくるのではないかと思います。
自主練は、いきなり始まるものではなく、小さな成功体験の積み重ねから生まれるもの。
捕れたこと。打てたこと。投げられたこと。褒められたこと。楽しかったこと。
その積み重ねが、子どもの中で「またやりたい」に変わっていく。低学年のうちは、その土台作りの時期なのかなと感じています。
実際に取り入れてよかった練習
我が家でやってみてよかったと感じるのは、遊び感覚でできる練習です。
たとえば、ひとりキャッチ練習。
ボールを壁や専用器具に向けて投げて、跳ね返ってきたボールを捕る。シンプルですが、捕球回数を自然に増やせる練習です。
Instagramでこの練習を投稿したところ、多くの方に見ていただきました。
特別すごい練習だからではなく、「これなら家でもできそう」「子どもが楽しそう」「低学年でも取り入れやすそう」と感じてもらえたからなのかなと思っています。
低学年の練習は、難しすぎると続きません。
でも、遊びに近い形なら入りやすいです。
フライキャッチも、最初は柔らかいボールから始めると怖さが少なくなります。キャッチボールも、距離を近くして成功しやすい形から始めると楽しくなります。バッティングも、最初から完璧なフォームを求めすぎず、まずは気持ちよく振ることを大切にしてもいいと思います。
「楽しく繰り返せること」が、低学年には一番の練習法かもしれません。

親ができるのは「やる気を出させること」ではなく「きっかけ作り」
子どもが自主練しないと、親として焦ることがあります。
でも、親ができることは、無理やりやる気を出させることではないのかもしれません。
練習しやすい環境を作ること。
できた時に一緒に喜ぶこと。
できない日があっても責めすぎないこと。
短くても続けやすい形にすること。
野球を好きでいられる空気を作ること。
そして何より、「練習」ではなく「遊び」として野球に触れられる時間を増やすこと。
これが、子どもの「やってみようかな」につながっていくのかなと思います。
私自身も、まだまだ試行錯誤中です。
つい言いすぎることもあります。他の子と比べそうになることもあります。もっとやってほしいと思う日もあります。
でも、息子と野球をできる時間は、きっと限られています。
だからこそ、上手くなることだけではなく、親子で野球に向き合う時間そのものを大切にしたいと思っています。

まとめ
少年野球で子どもが自主練しないと、親として不安になることがあります。
でも、低学年のうちは「練習しなさい」と言ってやらせるよりも、子どもが自分からやってみたくなるきっかけを作ることが大切なのかなと感じています。
短く終わる。 成功で終わる。 親も一緒に楽しむ。
練習しやすい環境を作る。 「好き」を守る。 野球を遊びの延長にする。
そうした積み重ねの先に、子どもの「もう一回やってみたい」「少し練習しようかな」が生まれてくるのかもしれません。
自主練は、親が無理やりやらせるものではなく、子どもの中から少しずつ育っていくもの。
そう思いながら、我が家もこれからも親子で野球を楽しんでいきたいと思います。
この記事が、同じように悩んでいる親御さんの参考になれば嬉しいです。
▶ Instagramでは息子の練習の様子も投稿しています。よければ、@daichi.enjoy_baseball ものぞいてみてください。
※本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。





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