「もっとこうした方がいい」
「今の捕れたでしょ」
「なんで走らないの?」
「ちゃんと構えて!」
……気づけば、こんな言葉が口をついて出ていませんか。
少年野球を始めると、子どもの近くで見ている分だけ、親としての「言いたい気持ち」も増えていきます。私自身、息子と一緒に野球をする中で、何度も「言いすぎてしまった」と反省してきました。
この記事では、低学年の息子と親子練習を続けてきた私が、「どこまで言うか」を悩み続けながら気づいた関わり方をまとめます。うまくできていない部分も正直に書きますので、「あるある」と共感しながら読んでもらえたら嬉しいです。
親だからこそ、つい言いすぎてしまう

なぜ親はつい言いすぎてしまうのか。いくつか理由があると思っています。
近くで見ているから気になる。我が子だからこそ、無意識でも細かい動きを目で追っています。だからこそ「あそこ、もったいなかった」「今のは惜しかった」が口から出やすい。
「できるはず」と思ってしまう。昨日できていたのに、今日はできない。「昨日はできてたじゃん」という言葉は、実はプレッシャーになっていることがあります。
他の子と比べてしまう。同じ学年の子がどんどん上手くなっているのを見ると、焦る気持ちが出てくる。でもその焦りを子どもにぶつけても、何もいいことはないんですよね。
野球経験者だと、余計に言いたくなる。私はある程度野球をやってきた経験があるので、「なんでそこでそう動くの?」とか「もっとこうすれば捕れるのに」という気持ちがどうしても出てきます。でも自分が子どものころ、大人に言われすぎて嫌になった経験があることも、正直覚えているんです。
良かれと思って言っている。これが一番厄介で、叱っているつもりじゃなくて、「教えてあげている」という気持ちで言っている言葉が、子どもには怒られているように聞こえていることがある。
言いすぎてしまう理由は、全部「子どものため」から来ている。でも、「子どものため」と「子どもが聞けるタイミング」は、必ずしも一致しないんです。
でも、低学年は「楽しい」が一番大事だと思う
ここが、私が一番大切にしていることです。
低学年の子どもは、まだ体も心も成長途中です。技術的なことを伝えても、体がついてこなかったり、理解できなかったりすることがある。それは「やる気がない」のではなく、「発達段階的にまだそこまで届いていない」だけです。
そして何より、この時期に「野球って楽しい」と思えることが、長く続ける一番の原動力になると信じています。
怒られてばかりの練習は、続きません。親に見られるのが怖くなって、萎縮してしまう。そうなると技術以前の問題で、「野球をやりたい」という気持ちが萎んでいってしまいます。
うちの息子は、仕事から帰ると「練習したい!」と私を待っていることがあります。自分からそう言えること。それが今、私にとって一番嬉しいことです。技術がどうかより前に、「やりたい」と思えている状態を守ることが、親の最初の仕事なのかもしれないと思っています。
我が家で意識している声かけ

具体的に、どんな声かけを意識しているか。よく使っている言葉の「言い換え」をまとめてみました。
| つい出てしまう言葉 | 意識して言い換える言葉 |
|---|---|
| 「なんでできないの?」 | 「今の惜しかったね、もう1回やってみよう」 |
| 「捕れ!」 | 「よく見て!」 |
| 「ちゃんとやって」 | 「もう少しだよ、いい感じ」 |
| 「なんで走らないの」 | 「次は早めにスタートしてみよう」 |
| 「また落とした」 | (言わない。目が合ったら頷くだけ) |
特に意識しているのは、失敗した瞬間より、できた瞬間に大きく反応することです。
捕れなかった時に何か言いたくなる気持ちはわかります。でも子どもは、捕れなかった時点でもう自分を責めています。そこに親から言葉を重ねても、打たれ弱くなるだけ。それよりも、捕れた時に「おっ!」「今の最高!」と大げさなくらい反応することで、「次も捕りたい」というモチベーションが育っていきます。
そして、練習の最後はなるべく成功で終わるようにしています。
最後の印象が「今日は全然できなかった」より「最後はうまくできた」で終われると、次の練習への気持ちが全然違う。フライキャッチの練習でも、この「最後に成功で終わる」ことを意識したら、息子の顔つきが変わりました。
▶ フライ練習の具体的な方法はこちらの記事もどうぞ:フライが捕れなかった息子が「来い!」に変わった4ステップ練習法
練習中に怒りそうになった時にしていること
正直に言います。怒りそうになることは、今もあります。
「さっきと同じミスをした」「明らかに集中していない」「ちょっとやる気が感じられない」……そんな瞬間、グッとくるものがあります。でもそこで感情のまま言葉を出すと、後から必ず後悔するんです。
そういう時に私が意識してやっていることがあります。
何か言いたくなったら、一度口を閉じる。3秒でいいです。その3秒で「言うべきか言わないべきか」が冷静に判断できることが多い。
同じ練習でうまくいかない時は、別のメニューに切り替えます。「守備が全然だめな日はバッティングへ」という感じで。気持ちをリセットすると、戻った時にうまくいくことが意外と多い。
集中力が切れているのに続けても意味がない。水分補給がてら少し休む。子どもの集中力なんてそんなに長くないですから。
ゴロをランダムに転がして「どっちに来るかな」ゲームにしたり、キャッチボールしながら話したり。練習感が薄れると、不思議とうまくいくことがある。
「今日はここまで」と言える勇気も大事です。無理に続けて険悪な雰囲気で終わるより、少し短くてもいい気持ちで終わる方が、次の日につながります。
そしていつも心の中で思い出していること。「今は低学年だ」ということです。
焦りそうになる瞬間、「でもまだ低学年だ」と思うと、少し落ち着けます。できないことがあって当然。今より半年後、1年後の方が絶対うまくなっている。今じゃなくていい。そう思い出すだけで、言葉がやわらかくなります。
親子練習は「教える時間」だけじゃない

ここまで読んでいただいて、「声かけを工夫する」「怒らない」という話をしてきましたが、もう一つ大切なことをお伝えしたくて。
親子練習は、上達のためだけにあるんじゃないということです。
一緒に笑う時間。できたことを一緒に喜ぶ時間。うまくいかない時の悔しさを共有する時間。子どもが成長していく姿を、一番近くで見られる時間。
息子が土日フルで野球をがんばった翌日の月曜日、「練習したい」と言ってグラブを持って待っていた時がありました。正直「休んでいいよ」と思いましたが、息子が「やりたい」と言うなら付き合おうと思って外に出た。その日のキャッチボールの時間が、なんでか今でも頭に残っています。特別なことは何もなかったのに。
こういう時間が積み重なっていくことが、技術を超えたところで息子の野球人生を豊かにしてくれると思っています。
子どもが「野球が楽しい」と思い続けられる環境を作ることが、親にできる最大のサポートです。
親が熱くなりすぎないために決めていること
最後に、私が自分ルールとして決めていることをまとめます。
・1回の練習を長くしすぎない
低学年の集中力はせいぜい1〜1.5時間。それ以上続けると、後半は質が落ちる。短くていい練習の方が、記憶に残りやすいと思っています。でも、息子がやりたいと言ったら「終わりにする!」と言うまで何時間でも付き合います。
・できなかったことより、できたことを1つ伝えて終わる
練習後に「今日よかったのはここだよ」と一言伝える。課題は翌日以降でいい。
・他の子と比べない
比べるなら「過去の息子」だけ。1ヶ月前よりうまくなっているかどうか。それだけを見ています。
・本人が嫌がったら無理に続けない
「やりたくない」のサインを見逃さないようにしています。機嫌が悪い、口数が減る、ボールを追わなくなる。そういう時はすぐやめる。
・親の満足のための練習にしない
これが一番難しい。自分が「もっとやらせたい」と思っているのか、「息子がやりたい」のかを、冷静に区別するようにしています。正直、自分の満足のために続けそうになる瞬間が、ゼロではないので。
まとめ:言いすぎない関わり方が、長く野球を楽しむ土台になる

少年野球で親が関わる時、技術を教えることも大事です。でも低学年のうちは、それ以上に「野球って楽しい」と思えることを大切にしたいと、私は思っています。
親子で野球ができる時間は、思っているより限られています。子どもが大きくなるにつれて、一緒に練習できる機会は自然と減っていく。だからこそ今この時期を、怒ってばかりで終わらせたくない。
言いすぎず、でも無関心でもなく。子どもが「やりたい」と思える環境を作りながら、ちょうどいい距離感を探していきたいと思っています。
この記事が「言いすぎてしまって後悔した」「どう関わればいいかわからない」という親御さんの参考になれば嬉しいです。一緒に悩みながら、一緒に楽しんでいきましょう。
息子もコツコツ成長中です。あなたのお子さんの野球ライフが、笑顔でいっぱいになりますように。





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